SCENE5 地獄遊園地《ヘル・アミューズメント》 元ワールド・ポーターズビル

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SCENE5 地獄遊園地《ヘル・アミューズメント》 元ワールド・ポーターズビル

 マサヤとトムソンを後部座席に乗せた車は、昔ワールド・ポーターズと呼ばれるショッピング・モールだったビルの一階へと入り込んでいった。  一見クラッシックなガソリンエンジン車に見えるが電動だ。運転するのはドラガで助手席にレイラが座っている。  後方にはラックとサーペンの乗る派手なオープンカーが続いていた。金色に輝いており、まわりにネオンのような電飾がつけられている。こちらはホバークラフトタイプで微かに路面から車体が浮いていた。  更にその後ろには10台近く様々な車両が続いている。皆マンバの部下達だ。  元々駐車場だったらしく広いスペースがあった。かなり昔に乗り捨てられた車もチラホラある。そこには停まらず車はどんどん階を上って行く。  助手席のレイラが振り返り、マサヤを物珍しそうに見た。そして「へえ~」と笑う。  「な、なにか?」  オドオドとしながらもマサヤはレイラと視線を合わせた。  「ラズの男だっていうからどんだけハジけたヤツなのかと思ったら、ぜんぜん違ったね。あいつ、こういうマトモ系が好みなのか……」  「ラズのことを知ってるの?」  「世界公園(ワールドパーク)であいつを知らないヤツはモグリだよ」  「い、いや、面識があるのかな、って思って……」  「さあ、どうかなぁ……?」  イタズラっぽく笑うレイラ。その表情は少女のようで、本当に可愛らしい。ラズもそうだが、とても平気で何人もの悪党を撃ち殺すようには見えない。  「ところで……」ドラガがチラッと振り返った。「ダイゴってヤツはベンチプレスで何キロ上げるんだ?」  「え?」戸惑うマサヤ。「い、いや、知らないけど、器具を使ったトレーニングよりナチュラルなトレーニングの方が好きだって言ってた。プッシュアップとか」  「ふんっ、ゴリラだけに科学的トレーニングはにあわねぇか」  「あんただってゴリラの一種じゃん」  レイラがアハハと笑いながら言った。  「俺は野生じゃねえよ、サイボーグって言ってくれ」  今度はドラガが得意げにガハハと笑う。
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