晩夏。

1/1
前へ
/1ページ
次へ
夏の果て、秋近く。 暑さも和らぐ夜風の下で 鈴虫が鳴いている。 どこまでも青く、輝いて。 照りつけるような夏は終わり。 木葉は、紅く染まって。 穏やかになっていく景色。 窓の際にて寝転べば。 身体の全てで 夏の終わりを感じていく。 何故だか。 夏が終わるのは、少し寂しい。 四季は巡るけど。 今年の夏は、今だけだった。 必死になって足掻いた 誰かの青春も終わっていって。 誰かの恋は終わり。 誰かの大会が終わる。 誰かの楽しい思い出は、 過去のものになる。 そんな中で。 私は何をしていただろうか。 今しかない夏。 今年に、 出来なかったことを思い返して。 そして、 楽しかったことを思い返した。 来年は もっと、いい夏にすると心に誓って。 晩夏の夜。 暑さも和らぐ夜風の下で 眠りについた。
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加