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ジャックは悔しくてたまらなかった。
ミールに手を出そうとしていたのをケンノエに押さえ込まれたからだ。
(くそう青二才め調子に乗りおって、幸せがいつまでも続くと思うなよ!)
惨めな立ち位置にいるジャックは腹いせにケンノエを狙っていたが軽くあしらわれた。
それどころかやがてケンノエがジャックより出世する。
そしてミールと楽しそうに仕事をしていて何もかも不器用で退職に追い込まれそうなジャックは日々恨みをケンノエに向けていた。
夜ーーー
ジャックはヤケ酒で酔っ払って帰路につこうとする。
そんな時ジャックは何者かに呼び止められた。
「ちょっと待たれよそこの貴殿!」
「んあ…?」
そこにいたのはローブを纏った一人の男。
「何者だお前は?」
「儂は呪詛の神マドン、貴殿からは大きな憎悪の念が感じられる…」
マドンは目を光らせながら言う。
「当然だ!ケンノエとか言うケツの青いガキに軽くあしらわれて事もあろうに俺より出世してやがるんだ!恨みも強くなるよ!」
ジャックは怒り任せに放った。
「そうかそうか、貴殿の恨みを晴らしてやろうでは無いか♪」
「晴らしてくれるのか?そいつは願ったり叶ったりだぜ!」
ジャックはニヤニヤと下衆な笑みを浮かべた。
「その代わり人を呪わば穴二つ、貴様も生命力を吸い取られる事にはなるのだが良いのかね?」
「構うもんかあのガキに一泡吹かせられるのならな!」
このジャック、酔っ払っていたので自分の代償など特に何も考えてはいなかった。
と言うか彼自身執事とは言え底辺の位置にいる男。
恨みを晴らせるなら自分のリスクなど知ったこっちゃ無かったのだ。
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