6人が本棚に入れています
本棚に追加
「貴方、早く仕事をしなさい!」
何故かケンノエに対する風当たりが強くなっている。
「それは貴女の仕事でしょう?」
「貴方は自分の立場がわかっていないようね?仕事があるだけでもありがたいと思いなさい!」
そうだな仕事があるだけでもありがたい。
そう思おうと仕事に取り掛かったが。
「お前がやると日が暮れる!向こうにいけ!」
と別の執事がケンノエを詰ってくる。
「なんですが僕はちゃんとやっていますよ!」
「おせーって言ってんだよゴミでも捨てに行っとけ!」
なんなんだよ全くとケンノエは思った。
これじゃあのジャックとおんなじだ。
ジャックもそれくらい辛い思いしてきたんだな。
アイツに優しくしてやろうと思ったその所にちょうどジャックがいた。
「ジャックさん、貴方も大変な思いしてきたんですね、貴方と話がしたい」
と話しかけたが振り向いたジャックの表情は真っ暗闇に覆われていた。
「!!!」
ケンノエは思わず後ずさってしまう。
『まだだ、まだこんなものでは終わらんぞ』
と言い残した後ジャックの体は黒い渦となってその場から消え去った。
「なんだったんだ?今の……」
その場には実際ジャックはいないと思われ、幻覚を見たのかとケンノエは思った。
それよりミールは?とケンノエはミールを探す。
暫く周っているとミールがいた。
「おーいミール!!」
ケンノエは追いかけるがミールは振り向かず、距離は近づくどころかどんどん遠ざかってしまう。
(あれ?おかしいな…ミールの元に走っているのに距離が近づかない??)
やがてミールは見えなくなってしまう。
ハァハァと息を切らしているケンノエ。
そんな時空耳がケンノエを襲ってきた。
『ふはははお前はこれから転落していくのだ!ここにはミールも、祐輔もいない!お前は俺から色々なものを奪っていった!この恨み思い知るが良いふっはっは!!』
「だ、誰だ僕が一体何をした?返事をしろ!!」
ケンノエが叫んだ。
そんなケンノエをメイド達がひそひそしあっている。
「やぁねえキチガイが何か叫んでいるわ…」
「目を合わせては駄目よ」
とケンノエから逃げるように立ち去った。
最初のコメントを投稿しよう!