ケンノエの転落

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長い間取り調べられたケンノエは出る時には疲れ果てていた。 1日も眠らせてもらえず目にはクマを作っていた。 (なんでやる事なす事裏目に出ちゃうんだ) ケンノエは望みを失いかけていた。 『解放しろケンノエよ、野生の血を呼び覚ませ!』 「また謎の声が…誰だ!?」 ケンノエの目の前にローブの男が。 『儂はマドン、貴様は何故こう意地を張る?何故暴れようとしない?』 マドンは脳裏に訴えるようにケンノエに尋ねた。 「僕は気高い人間だ!罪を起こして悪い奴にだけはなりたくない!」 とケンノエは言った。 『辛くなるだけだぞ?お前は本当は欲深くて利己的な人間だ。本当の自分を解放しろ、楽になるぞ?』 「消えろ、僕は優しい人間だお前の思い通りにならない!」 ケンノエとマドンは争う。 正義をあくまで貫くケンノエにマドンは口元をニヤリとさせて「まあ良い」と言った。 『望まぬとももうじき本当のお前が別の体として生まれる。そしてそしてお前は壊れるのだ!』 「僕は壊れたりなんかしない!」 その時ケンノエは強い吐き気を覚えた。 「うぐっ!?」 『言ってる側から!さあ生まれるぞ生まれるぞ生まれるぞ!!』 マドンは目をニヤリとさせて呪詛を唱える。 「おええええぇ!!」 ケンノエは盛大に吐いた。
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