エピローグ

2/7

5人が本棚に入れています
本棚に追加
/50ページ
ミールが気がついたのはスイーツ城の病室だった。 起き上がろうとしたところ体の節々が痛む。 「動いちゃダメよ怪我してるんだから」 そんな時女性医師がそれを止めた。 「ジャスミンさんが貴女を見つけてくれたの。もし見つけられるのが遅かったら出血多量で死んでたわよ」 そしてそして祐輔がやって来た。 「ミール無事か!!」 祐輔が駆けつけミールの手を握る。 「何があったんだ一体!?」 「祐輔…」 そしてミールが言う。 「私何があったか覚えていないの、気がついたらここにいて……」 「なんだって!?」 ミールは記憶喪失になっていた。 人は嫌な経験、とてつもない極限の経験をすると部分的に記憶から消す本能が現れる。 呪いによってではなくミール自身の脳が記憶を消すように働きかけたのだ。 その記憶が鮮明なままだとフラッシュバックを起こし異常をきたすからである。 それが更に後々に深刻な事態を生む事に皆は知らなかった。 それよりもミールには気がかりな事があった。 何故技を使えなくなったのか。 何故ケンノエの手助けが無くなってしまったのか。 「可哀想なミール……君の身に何かあったら僕はもう……」 祐輔は泣き崩れた。 「私の為に泣いてくれるのねありがとう…」 自分の事だと言うのに逆にミールは祐輔を慰めた。
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加