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その2日後、ノフィンが帰って来た。
馬から降りるノフィン。
「ミール君!」
慌てて駆けつけるノフィン。
ミールの居場所を病室にいると聞いたからノフィンは慌て様に走ってきた。
「僕が居留守の間になんて事だ……」
ノフィンは痛々しい姿となったミールに身を震わせた。
「ノフィン先輩……ケンノエは」
「そうだった。ケンノエさんは確かにいたよ」
「そうですか…それで会いに行っても良いですか?」
「残念だけどケンノエさんは死んでしまった。でもでも、とても良い人だったよ」
ノフィンはそう言った。
「そうですか……それより私はわかりました」
「何をだい?」
「実は私自身が強いのではなくケンノエさんが私に力を与えてくれていた事に…」
ミールは自身の手当てされた手を見てそう言った。
「そうだな…君は本当はどこにでもいる普通の女の子だ…」
ノフィンはミールを理解していた。
WNI最強の女戦士。
彼女をそう言う人は多い。
ミール自身もそれを自負していた。
しかしミールの強さの秘密は彼女自身では無くケンノエと言う男がミールを助けてくれていたからだった。
しかしミールは強さに溺れてしまった。
自分が強いと言う錯覚を覚えてしまった。
だからケンノエは教えてあげたのだ。
ミールが本当に強いわけでは無いと言う事を。
「ケンノエ……本当に厳しくも…優しい人…」
ミールは目を細めた。
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