助けてくれたあの人

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「ミールちゃんご機嫌だねー」 と祐輔がミールに言う。 「だってだって、ケンノエお兄ちゃんと映画見に行くんですもの!」 とミールはにこやかに言った。 「僕じゃ駄目なのかな?」 「え?」 ミールは振り向くと祐輔が悔しそうにしていた。 そして祐輔は走り去ってしまう。 「どうしちゃったんだろう?」 とキョトンとするミール。 そこでミーちゃんに相談。 「そりゃ恋ってやつやわミールちゃん♪」 「こい…?」 「隅に置けへんなミールちゃんは!」 バシンと背中を叩かれるミール。 「いきなり叩かないでよー!」 「あははごめんなー♪」 そしてそして、ミールはケンノエと映画を観に行く。 「夢見るジュリアと時の魔法、とても面白いんだよ♪」 「楽しみ楽しみ♪」 ケンノエとミールは映画を見る。 ドキドキあり、涙ありの長編。 主人公は人形だが天使によって人間になる。 それから人形の主などと関わり、酷いいじめに遭い、助けられたりするストーリー。 人間界に悪戦苦闘するジュリアの健気さに心打たれる。 そして見終わった後はミールはボロ泣きする。 ケンノエはそんなミールの背をポンポンしながら帰路に着く。 (畜生…)その時祐輔は悔しさに打ち震えた。 僕だって強くなってミールちゃんに相応しい強い男になりたいよ! 祐輔は強さを欲するようになった。
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