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First Love
貧困国の諸事情、その二、かな?
あくまでも主観で言うが、みんな恋愛には積極的かつ情熱的だ。
特に女の子は若いうちから、そうなる傾向。
18歳で結婚、20歳で第一子出産。
僕の母のことだが、あの国では一般的だった。
女性が進学するのはごく一部、ほぼ結婚しか道がないというなら早いうちにされていた。
男性が若いうちに結婚を考えるとしたら、安定した収入が見込める大都市へ引っ越すか、外国へ駆け落ちするか。
親や親戚が反対することがわかりきっている異民族同士は、なおさら苦労するけれど、そのぶん燃え上がるらしい。
人生の大事な局面を若いうちに迎える――。
僕が生まれ育ったのは、そういう国だ。
さて僕自身、どうだったかというと、女の子に言い寄られることが多かった。
6歳のときに近所の年上の女の子に誘われて、茂みの中で唇の触れるキスをしたのが始まり――、
練習台にされてばかり。
初恋は15歳。
初めて大人の深いキスをした。
よく実らないものの代名詞と言われるそれは、僕にも等しく降りかかり、はかなく散っていくことになるが、
あの土曜日――。
そのころの僕は、週末ともなれば、夜の繁華街を楽しんでいた。
かと言って、貧乏な未成年が店に入るのではなく、ディスコが近い裏通りで赤ラベルのコーラを飲みながら、友達と一緒にストリートダンスにハマっていた。
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