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真夏の夜――、
音源担当の誰かが持ち込んだ音楽に合わせ――、
メインダンサーであるダーリオをたてる僕はカップリングで、彼の動きをワンテンポ遅らせ完全コピーすると、まるで電流が流れるようなスムーズな動きの繰り返しになる。
見せつけられた周囲の同年代の熱気が僕を痛いくらいに締め付けて、磁界は否応なしに拡大していく。
音楽が吠えたと同時に――、
「「ヘイ、ヨウ!」」
そこからは横並びに飛んで跳ねて、鏡合わせのシンクロナイズド。体の大きな彼に合わせ、僕の跳躍も大きい。
ダーリオのソロパートに移り、僕はいったん後方へ。彼のブレイクがよくキレている。そして、彼の片腕での逆立ちがフリーズしたところへ、僕のバク転が3回連続。
観客の歓声と拍手がこっちへ届いてきたので、僕はダーリオを指差す。彼の力強いフットワークを見てみろと。
それにより、みんなは夢中でダーリオのマネをして踊る。そのあと彼が一番大事にしているファンサ周りが入るから、僕はしばらく待機。
中央にダーリオが戻ると、ワン・ツー・スリーをカウントして僕も戻り、最後クライマックス。
前へ出ると両手は地面、足を前後左右に180度開脚させて一気に飛び上がれば、僕のプロペラは、いっとき宙を飛べる!! 衛星だった彼が僕の頭上を飛んだところで、
二人で一回転、並んで空を仰いで、フィニッシュ!
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