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支えろと言われても、おてんば娘にケガでもされたら堪らない。
「こっちへ来て。背中で一回転させてあげる」
僕がコントロールできるやり方なら女の子は安全だ。
「キャア、何それ、何それ!」
3人揃って同時に、かしましい声を上げた。
そこからは、レッツ・パーリー状態。
「僕と背中合わせでバンザイしてね」
キャーキャー言いながら女の子はその通りにする。
僕はその子の両手首を握って、
「僕が『ヘイ、ジャンプ』って言ったら、キミは両足を揃えて、地面を蹴って。アゴは引いたままで、空を見ようとしちゃダメだ。空中散歩は、自分の中の感覚だけで楽しむんだ。準備はいいかい?」
その子が「イエース!」と返事したのを聞いて、
僕の掛け声「ヘイ、ジャンプ!」。
女の子は僕の背中の上で一回転。
僕の手首縛りが、彼女を放り投げたからだ。
前方にきれいに着地した女の子と目を合わせ、成功をねぎらうハイタッチをする。
ダーリオも加わり、大はしゃぎの女の子たちを順番で何度も放る。
ふと僕が視線を感じて顔を上げ、その先を見ると、サーシャが僕を睨んでいた。
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