The Small Town in Europe

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でも学校では不吉なことは教えない。 未来は明るいと、希望をもてと教えられる。 そして、民族はごちゃ混ぜだ。 例えば第二外国語の授業。 共産的な国策によって生徒に選択の余地はない。 ロシア語寄りの民族がいるのに、先生は無作為に生徒をロシア語と英語に振り分けた。 ロシア語のほうに入れられた僕は、 「これからの時代はぜったい英語」と思っていたので、母にまで学校へ来てもらって、一緒に石頭を説得したおかげで移動できた。 だから僕は、やれば何とかなるんだと、親父のことも頑固な古人間なんだと気楽に考えていた。 ギフト以外の僕は、 つくづく脳天気な腕白少年だったと思う。 友達と遊んで腹が減れば近所の果樹園に行って、売り物の果実を採って食って、見つかったら走って逃げて。 または野良犬の出産が見たくて、はたまた山へ探検に行きたくて学校をサボって、大目玉を食らったり(親から鞭打ちの刑)。 周囲は山だから、自然豊かなきれいな川で魚と一緒に泳ぐのが好きだったり、友達と突き落とし合って服を濡らしたり。 僕は動物が好きで、犬や猫、カナリアを家で飼っていた。 こんな事件もあった。
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