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僕の「やめろ!」で始まり、
「オメエ、ロニーじゃねぇか」と返された。
学校からの帰り道だった。
巣から落ちたと思われる子カラスを蹴り飛ばして遊んでいる上級生4人組と出くわしたのだ。
僕の名前を呼んだのは主犯格の奴。
体格よし、目つきもよし、悪知恵も働くこと、この上なしの強者だった。
「やめろって言ってるだろう!」
「オメエは、ずっこんでなよ! イテーめ見ないうちにとっとと帰れ〜」
とっさに僕は、子カラスに覆いかぶさっていた。
主犯格からまともに脇腹を蹴られる結果となったが、地に伏せたままでグッと耐えた。
「舐めたマネしやがって、テメェわかってんのかよ?」
羽が抜けて傷ついた子カラスを抱えて立ち上がる。
「わかってる。僕が勝ったら、このカラスは僕のものだ。それでいいか?」
「コイツ、ヤル気だってよ、ブッハッ」
主犯格につられるように、お付きの者がゲラゲラ笑った。
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