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「やりましたね博士!」
「ああ。この時代に完成した事に意義があると思わんかね?」
「全くその通りです!」
地球滅亡の危機を救うために今この時タイムマシンが完成した。これは運命だ。我々の使命なのだ。
「行きましょう、過去に。そして地球を、人類を救うのです!」
「よし、行こう」
一見家庭用サウナのような、トイレほどの小部屋に私と博士は入った。前面にはモニターやら計器類がはめ込まれている。
「博士、何年に行きますか?」
「そうだなあ。2023年にしよう」
「そうですね。まだ日本が平和だった年ですね」
「私が産まれた年なんだ」
「あ……左様ですか」
今から50年前。日本は戦争なんて対岸の火事くらいにしか考えていなかった。私が産まれた2033年から日本も徴兵制ができた。憲法第9条は破棄され、自衛隊は国軍となった。そうだ、それも阻止しなければ。憲法第9条は守らなければならない。
「出発するぞ!」
「はい!」
「シートベルト忘れてるぞ」
「すみません!」
シートベルトをガチャリとはめた途端、部屋が揺れ始めた。前後左右、上下斜めと激しく揺れた。
時という大海原に翻弄され、逆らい、目指す目的地は2023年の日本。無事に着いてくれーー!
振動が止まった。
「着いたんでしょうか」
「外に出て確認しよう」
踏ん張っていたせいか足がおぼつかない。壁を伝いながらドアを開けた。
「眩しい……」
5年ぶりの太陽は眩しすぎて目を開けていられなかった。
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