好き

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 アイが来てから3日目、アサとヨルは今日も二人で朝食をとっていた。 「アサ、私はアンドロイドにも感情があると思う」  ヨルは突然言った。 「僕も……最近アイ様を見ていて分からなくなっていたんです。アンドロイドが人間と同じ記憶、思考、感情を持つ……」 「それでもね、やっぱり生物ではないんだと思う。生物には"死"があるけれど、アンドロイドにはない」 「生物ではないが、感情はある……それがヨルさん、あなたの答えですか」 「ダメかな……?」  ヨルは寂しげで、儚くて、美しい微笑みを浮かべた。アサはそんな顔を今まで一度も見たことがなかった。 「すごく、良い答えだと思います」 「私はね、アサ。あなたのことが好き」
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