消去

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消去

 首に痛みを感じる。何も思い出せない。僕は……  そうだ、日向アサ。そして屋敷にはご主人様と、緋月ヨルが住んでいて…… 離れには老人の庭師が……  そう、その庭師の声がする……  ジジジジジというノイズの隙間から   ―ひ――アサ―は―きお―ク――ブジ― ―アプ――デ―――ショうキ―ョし―― ――――――ハイ―――あの――ケシ― ――マシタ―――モン―――ダイ―――ナ  その日、庭師を装っていた天才エンジニアの老人の手により、アンドロイド日向アサは記憶を消去された。  主人はヨルとの関係を娘のアイにバラされる事を恐れた。また、アサがヨルに恋心を抱いたこと、仕事をやめるよう説得しようとしたことなど、反抗的な態度が問題とみなされた。
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