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勉強と甘い時間*
ここ最近は、須藤の家にお邪魔して勉強するというのが定番になっている。
「うーん、ここどうすればいいんだろ」
「どれ?あぁ、これはこの公式使ったら簡単だよ」
「なるほどな。うーん、ちょっと休憩しない?」
「そうだな」
伸びをして、用意してもらったアイスティーで喉を潤した。
「りとこっち来て」
須藤が手招きするから近寄ると、ここと須藤の前に座るように指を差された。「はいはい」と言って須藤の前に座る。
「須藤ってさ、やっぱり医学部志望だよな?どこ受けるか決めてるの?」
「うーん、何となく?りとは?」
「国立の薬学部」
「あれ?文系だと思っていた」
「薬の開発に携わりたくて」
あの事件があってから抑制剤への関心が高まって、副作用が少ない薬を開発することができたらΩであっても、もっと普通に暮らせるのではないかそう思うようになった。Ωだから上にいけないなんて事あってたまるかという思いもあるのだが。
「そうなんだ」
「須藤と同じところに行ければいいなって思ったんだけど」
「いいよ」
「そんなあっさり」
「ってかさ、この辺で国立の薬学部って思い当たるとこが1つしかないんだけど」
「うん、そう」
「そこの医学部か……ハードル高っ」
「そんな事ないだろ。398点取ったことあるくせに」
「悔しかった?」
「悔しかった」
「人生で1番頑張ったもん」
「須藤、どこ触ってるの?」
「どこかな」
こうなると分かってて座ったんだけど。須藤の方を向いて、膝立ちになってキスをする。
「りとも結構積極的になったよね」
「そうかな?」
「かわいいりとがエロくなって嬉しい」
須藤が僕のズボンのチャックを下ろしてパンツごと一気にずり下ろし、お尻に手を這わせる。
「もう濡れてる。パンツ貸してあげる」
「うん」
ハァッと吐息を漏らして、挿し込まれた指の感覚を堪能する。
「すぐに入りそう」
「いっぱい突いてほしい」
須藤がズボンを下ろして、そそり勃つものに慣れた手付きでゴムを付ける。
「このまま挿れる?」
「うん」
自分の孔に須藤のものを充てがって、ゆっくりと腰を下ろした。挿れられただけで何とも言えない幸福感に包まれる。
「好き、須藤」
腰を動かしながら喘ぎ声の狭間に須藤へ想いを伝える。嬉しそうな顔をする須藤がどうしようもなく愛おしい。
「アッアッ、須藤……アァッ……ンッ」
「りと、好きだよ」
ゆっくりと繋がったまま押し倒されて、思い切り奥まで須藤が入ってくる。手をつなぎキスをしながら何度も襲い来る快感に酔いしれる。須藤の動きが一段と早くなった。一緒にイキたい。でも、もうダメかも……。先にイッてしまって、その後に須藤が出したのを感じた。一緒にイクって難しい。須藤は終わったらいつもキスをしながら抱きしめてくれる。それがとても心地よくて好きな時間だ。
「ごめん、床でしちゃって。痛くない?」
「大丈夫」
二人で体を拭き合って、ベッドに寝転ぶ。
「帰ってほしくないなー」
「それ毎週言ってるな」
「ここに住んでほしいよ」
「それは無理だよ」
「もうすぐ修学旅行だな」
「そうだね」
「二人でいろんなとこ行けたらいいな」
「クラス違うから難しそうだけど……」
「はぁ、修学旅行サボって、二人だけで旅行に行きたい」
「いつか旅行行けるといいな」
「絶対に行こう」
また二人でしたいことが増えた。たくさん思い出を積み重ねていけたらいいなと願ってしまう。
「何か勃った」
「はぁ!?ちょっ……上に乗るな」
「りと、お願い」
「やりすぎ……アッ……挿れんなぁ……アァッ……」
さっきして柔らかいままの僕の中は簡単に須藤のものを咥え込む。揺さぶられてたまらずに声を上げる。
「あっあっ……すどう……すどう」
また快感に呑まれて溶けそうになってしまう。気持ちよさそうに腰を振る須藤に散々イかされて今日も勉強そっちのけで快楽に耽る。こんな事で大丈夫なのか不安になりながらも体を重ねる幸福感を知ってしまった僕は、今だけと自分に言い訳をして甘い時間を享受する。
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