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 敦矢は驚いて目を見開いた。  そして「ごめんごめん…」と、私の手をグイっと引っ張った。  気づけば目の前には敦矢の胸があって、敦矢との距離がうんと近くなった。  いつもはほのかに感じる敦矢の香りを濃く感じて、心臓がバクバクと盛大に暴れだす。  「不安にさせてごめん…」    敦矢はかすれ声でそう言った。  私は首をふるふると横に振った。  「ギュッてしてもいい?」  耳元に落ちてきた敦矢の声に、私はもう気持ちがいっぱいいっぱいで声が出ず、首振り人形のように首を振った。もちろん縦に。  敦矢は私の背中に腕を回し、私たちの隙間はピタリと埋まった。  私の心臓は"これ以上は無理ですよ"という程に早鐘を打つ。   そして、私の頬にくっついた敦矢の胸から、私と変わらない速さの鼓動が聞こえる。    敦矢も私を意識してくれている…  ドキドキしてくれてる…  嬉しすぎて失神してしまいそうな私に、敦矢はさらに「ちゃんと好きだよ。愛依のこと」と、とどめを刺す。  あぁ、もう…息が詰まる…  私が顔を上げて敦矢を見ると、敦矢は頬を赤らめてバツの悪い顔をしていた。  「俺、暑がりの汗っかきだから…それで、誤解させたかも…」  敦矢はそう言って、私から体を離して話し始めた。    
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