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お、帰ってくるんだ。
『じゃ、いつものマック行く?』
その返事は、OKと猫のスタンプ。ほんと猫好きだな〜。
LINEのやり取りが終わって、ベッドに寝転がった。郁哉は優しいから、その女の子も好きになっちゃったんだろうな。
眺めていたLINEの画面が黒くなった。スマホを握ったままの手が重力に逆らえずベッドに沈んだ。
中根さんの時は、いろいろ郁哉が話してくれたけど、今度は相手のことも分からないし、あまり勘繰らないほうがいいのかな。
でも……ちょっと気になる。郁哉のことが好きな人。あざとい子だったら嫌だなぁ。女の武器振りかざして郁哉に言い寄ってきていたら? 郁哉は優しいからなぁ。はっきり言えなくて困ってるかも。
勝手な妄想は思考を占領して、他の何もかもが上の空になる。
「岩槻さん、このあと暇?」
大学から駅へ向かおうとしていたところ、後ろから追いかけてきたのは、大学で知り合った多賀くんだ。
「暇じゃないかな」
「え〜、前もそう言ってたじゃん。いつなら一緒に遊んでくれるわけ?」
う〜ん、しつこいな。ガツガツくる感じが苦手なんだよね。
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