夏の終わりに僕は拾った

熱海

「綾、流石にお前の家は金持ちだよなー。中は純和風の部屋で露天風呂に大浴場にサウナそして庭にはプールもあるし、プライベート旅館って感じだよなー」

「本当だよ。羨ましい。お腹空いたなー綾何か食べようぜ〜」

「庭にバーベキューセットがあるだろう。冷蔵庫に肉も野菜もあるって滝さんが言ってたよ。坊ちゃんが食べ物に困らないようにって。俺もう高三だぜ」

「お手伝いの滝さんか〜付いて来なくても食べ物は用意してくれてるんだなー。ありがたい。
じゃあさっそくバーベキューやるか」

　　両親が買ったこの熱海の別荘で僕達三人は庭でバーベキューをして露天風呂に入りトランプやテレビゲームをして過ごした。

　その時僕は、何故か二人に言った「明日朝、海岸散歩しないか？三人で海岸歩くなんて卒業したらなかなかないかもしれないからね」

二人は「えー眠いよー」

「朝苦手なんだよねー」そう言ったが結局優しい二人は俺に付き合う事を約束してくれた、

　「みんなありがとう。朝散歩したら美味しい朝食屋が海岸の近くにあるからさ〜僕の奢りだからね」僕はこの時、どうしてこんなに朝の海岸に行きたいのか？わからなかった。

　僕は熱海の海岸にこの時から導かれていたのかも知れない。