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別荘
俺は高校生最後の夏休みを阿笠竜馬と葛城真斗そして俺、桜田綾のいつものメンバーで俺の家の別荘で過ごす事にした。
僕の両親は僕がまだこの世に生を受ける前に経営コンサルタント会社を建ち上げた。
日本ではちょっとした有名人でいくつもどん底で潰れかかった会社を救ってきた。
両親に感謝してる会社の社長も多く父も母も自分の仕事に誇りをもっていた。
でも、僕はいつもお手伝いさん数人と遊んでもらった記憶しかない。両親は忙しくて僕の面倒を見る暇なんてなかったのだろう。
そして、父と母は今日も何処かの会社を救っていることだろう。
そんな僕はいつも誰かに感謝されてる両親を尊敬していた。
僕も経営コンサルタントになって両親の会社を継ぎたいと話したら両親は泣いて喜んだ。
だから僕は経営学が学べる経営大学を選んだ。
僕達三人は高校を卒業したらそれぞれ違う道を
進んで行く。こうして会う事はなかなかできなくなるだろう。
両親の会社は儲かっている。
テレビで言ってる通りまさにバブル期の西暦1985年まだまだバブルは続いていくだろう。
両親は、こんな熱海に別荘まで建ててしかも露天風呂付きで管理人付き、僕が別荘に行く時にはいつも必ずお手伝いさんが付いて来る。
今日は高校生活最後だからついて来ないでほしいと僕はお手伝いさんに頼んだ。
だから僕は今、のびのびと高校生活最後の夏休みを楽しんでいる。夏が終わる前に。
竜馬は高校を出たら倉田医学部に行き真斗は夢美容専門学校に進むみんなそれぞれ夢に向かって出発する。
僕はただ三人のいい思い出を作れればそれで良かった。
ところが僕は、この熱海の海岸に引き寄せられていたのだ。
高校生活最後に両親が買った熱海の別荘に来たのもきっと意味があったのだ。
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