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「──エミリィ、さすが伝説のゲームマスターね」
「ありがとうございます」
「真実を教えないままにアリアをミューパーに行かせては? と、あなたから聞いた時はどうなることかと思ったけど」
「これで、ある意味アリアも伝説のGMとなるでしょう」
ミューパー孤児院のGM、ゲームマスターは現在もエミリィ・ブラントである。派遣されたアリアはゲームの主人公。前任者であるエミリィの手記を見つけるところから物語はスタートする。マルトには、図書室の一番上の棚に面白い本があるのよと、アリアと交代する際に、そう告げておいたのだ。
もし、アリアの手に渡らず子どもたちが読んでしまったとしても、それはそれで面白い展開が生まれただろう。
「それじゃあ、学園長。そろそろ失礼します」
アリアと子どもたちが楽しそうに夕食を作っている映像を見ながら、エミリィはスーツケースを手にとった。
「残念だわ。本当に行ってしまうの?」
「ええ。でも離れていてもミューパーのゲームマスターはわたしですから」
そう言い残しエミリィはGM育成学校をあとにした。
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