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電車に揺られながらエミリィは考える。
純真な子どもたちを騙し、それを腐った大人の娯楽に仕立て上げるなど、とんでもないことだ。だから、あの手記を残した。学園長からアリアがGM育成学校に入学したと聞いた時から考えていたことだ。
『あなたのような最高のママになりたいそうよ』
だとすれば、最高のママとしてアリアにしてやれることはひとつだけ。子どもたちを騙し翻弄するゲームマスターになどならせない。GMのみっつめの称号など、アリアには与えない。
そのためには子どもたちではなく、大人たちを騙すことが必要だった。だから手記を残し、アリアにはなにも伝えないままにミューパーに行かせては? と、学園長に打診したのだ。
アリアならきっと最高のママになれる。
そして──アリア、あなたなら勇者にだってなれる。
いつか、あの閉鎖的なミューパー孤児院の門を誰もが自由に出入りできるようにして、子どもたちを偽の不安と恐怖から解放する日が来ることをエミリィは願ってやまない。
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