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もし、この本を誰かが手にしているとしたら──あなたは相当な本の虫さんね。本棚の一番上の一番はしっこ。脚立にのぼらなきゃ手に取ることのできない本だもの。
もし、今もまだ『GM』なんてものが存在しているのだとしたら、あなたはこの本を読んだほうがいいかもしれないし、読まないほうがいいかもしれない。
もし、今はもう『GM』なんてものが存在していないのなら、あなたはこの本を読む必要はないけれど、読んだら面白いかもしれない。
もし、この本を手にしているのが子どもたちではなく──GMだったら、あなたはこの本をどうするかしら?
前置きがながくなったわ。
わたしは、エミリィ・ブラント。
ミューパー孤児院の元GMよ。
どうしてわたしがこんな手記を残そうと思ったか。理由はいろいろとあるけれど、子どもたちに真実を伝えるのも悪くないと思ったからよ。
今からわたしがこのミューパー孤児院で過ごした10年間の出来事を綴る。
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