エミリィ・ブラントの手記

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 さて、ここまでの手記を読んで賢いあなたは、おかしいな? と疑問をもったんじゃないかしら。だって、わたしエミリィ・ブラントはGM育成学校を首席で卒業し、いまだかつてない伝説のGMとなりうるだろうとまで言われていたのに、ソードを筆頭に幾度となく脱走を企てられているんですもの。  それだけじゃないわ。毎年必ずソードたちのように脱走を企てる子がいたし、わたしに対し真っ向から疑問や不満、あるいは不安を訴える子もいた。どうして外に出られないんだと大暴れする子だっていたし、子どもたち同士で恋愛関係となりあわや妊娠か? ということだってあった。  この10年、絶えず問題が起きていたのは事実。  それでもわたしは優秀なGMとして高く評価された。  それは、どうしてか。  だって問題のすべては、わたしが計画していたのだから──。  ソードたちがどうしてここを出て行く際に怯えていたかわかる? どうして子どもたちは、このままここにいたら危険だと思って脱走しようとしたのかわかる?
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