君に捧げる最後の夏

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こうして私は引退した。 リコとは気まずさもなく友達のままだったが、 受験勉強に打ち込んでいた私は、部活を続けるリコとは会わなくなり、疎遠になっていった。 リコは進学後、800mではなく3000mに転向し、 駅伝の主要メンバーとして活躍している。 私は陸上を辞めて普通の学生生活を送っている。 その分勉強が忙しくなったが、それなりにやりがいを感じている。 あの夏から1年半後。 リコから久しぶりに連絡がきた。 「久しぶり!リコやで!忘れてないよな!?  今度駅伝出るし、応援しに来て!  絶対勝つから!」 そして今。 リコは駅伝のアンカーとして、走っている。 私は全力で叫んだ。 「リコー!!絶対勝つって言ったやろ!!」 リコは少し笑ってスピードをあげた。
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