君に捧げる最後の夏

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もうダメだ。 腕の感覚もなくなってきた。 足は?動いてる? フォームか乱れているのが自分でもわかる。 それでも走らなければ。そうでなければ。 その時。 「アスカー!!絶対勝つって言ったやろ!!」 あぁ。リコの声だ。 そうだ。私は勝つって約束した。 勝って、それから…。 それから、告白するつもりだ。 私はどうしようもなく貴方が好きだったって。 自分自身と常に戦ってた貴方が輝いて見えたって。 まだ足は動く。腕も動く。 なんとか着いていく。終わってから倒れようとも。 今この瞬間、私の限界を超えてやる。
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