君に捧げる最後の夏

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「それで、伝えたいことってなんやったん?」 泣き止んだばかりで目を真っ赤にした私に、 リコは今の私が1番触れてほしくない話題に触れた。 「それ、今、聞く?  てか、私リコに負けたけど…。」 「いやいや、気になるやろ!  私に勝ってまでしたいことってなによ?」 リコはいたずらな顔で笑った。 ほんっとずるい。どんなことも許してしまう笑顔だ。 負けたとはいえ、伝えなきゃ。 私はきっと、死ぬまで後悔する。 「こっち。来て。」 私はリコの手を引いて、できるだけ人目につかない場所に移動した。 「あのね、実は私、リコが好きやねん。  友達としてじゃなくて、それ以上の気持ち。」
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