蝋燭番の仕事

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二人は息を呑んだ。 助けを求めて叫んだのは同じ蝋燭番のルシュ。 ルシュに支えられながらもぐったりと床に膝をついているのは、彼のペアのカロルだった。 ルシュは混乱しているのか青ざめた顔で喚き散らす。 「落ち着いて、ルシュ。何があったの」 「分からない。俺達はいつもみたいに灯りをつけてまわってただけだ。でもここ最近カロルがぼうっとしてるから変だとは思っていて。そしたらさっき、いきなり階段で崩れ落ちて」 「待って、何か……様子が」 床に伏したカロルの指先がチリチリ燃えはじめた。 火はじわじわと彼の身体を蝕み、あっという間にただの煙にしてしまった。あとには灰も残らない。 三人は呆気にとられて見ていた。 ずっとペアを組んでいたルシュは抜け殻のようだった。 仲間が消えた……煙になって。あとかたもなく。 わけが分からなかった。誰かに相談したくても、あいにく今日も主人は館を留守にしている。 セラフィーナとスィンザは放心状態のルシュを抱えて寝室(ベッドルーム)へ戻った。 戻る途中、窓を見るとわずかに明るい。 そろそろ夜明けが近いようだった。   誰も口をきけないほど、手足は重たく疲れ切っていた。
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