そうだ、甲子園へ行こう

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8月の甲子園球場。 かなりな客入りの中、開会式が行なわれていた。 ゆきのぶとしげるの2人も学校の代表として入場行進に参加していた。 2人が持っていたのは・・・。 深紅の優勝旗であった。 「確かに甲子園には来られたけど」 「昨年優勝した時の優勝旗の返還が目的なんだよな」 「前の大会で優勝しても次の大会に出場するとは限らなくて、それでも開会式には学校の代表が参加するんだよな」 「ああ、あれが決勝戦でぼくらを負かした高校だ。せいぜいがんばれよと応援してあげよう」 「入場行進曲がはっきりと聞こえるな」 「ああ、テレビと違ってな」 「今年はどんな曲だっけ」 「その辺は全然わからないな」 そして各学校が整列し、色々な儀式が行なわれていった。ゆきのぶとしげるの2人も、優勝旗の返還を行なった。 それから学校へ戻ってきた。 「どうだった?」 「いやあすごいよ。甲子園の熱気は」 「そうだ、今度こそ予選を突破して代表として甲子園へ行こう」 「その意気だ」 「次は春の大会だな」 「ところで、優勝旗返還は前の大会で参加した選手が行くと決まってるわけではないんですね」 「その辺は自分もようわからん」 「もし野球部がなくなったりしたらどうなるんだろ」 「同じ学校の生徒の誰かが行くんだろ」 「ユニホームは?それと、学校そのものが廃校になったりしたらどうするんだろ」 「だから知らんって」 ―――終わり―――
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