「今日、僕の命が終わってしまっても───」

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そんなの、僕が聞きたいくらいだよ… でも、僕はその言葉をグッと抑え込んで、 「…そういう運命だと、割り切るしかないよ」 と言った。 「なんで…なんで真くんはそんなに笑顔でいられるの!?怖く無いの…?明日死ぬかもしれないんだよ!?」 僕は、自分の胸の中でわき上がるどうしようも無い気持ちを押し殺して、精一杯の笑顔で、 「僕だって怖いよ。でもさ、最期の日くらい常に笑顔でいたいよ」 「───ッ」 「だからさ、陽香。陽香も出来るだけ笑っていてよ…」 「………分かったよ。」 「ありがとう」 すると、父さんが口を開く。 「真、お前は今日という最期の日をどう過ごしたい?」 その言葉に、僕は少し考えてから、前ヶ原公園 「僕は…陽香との想い出巡りをする事にするよ。これまでの想い出を振り返りたい」 「…そうか、なら今すぐ準備しなさい。お金は父さんたちが全て払うから、いくらでも行ってきなさい」 「ありがとう」 「お前は父さんたちの子供なんだから当たり前だ、心配せずとも、陽香さんの分も出す」 「…ありがとうございます」 すると、今度は母さんが口を開いた。 「陽香さん、最期までうちの息子をよろしくね…」 「はい、任せてください」
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