「貴方が今日、いなくなってしまっても私は───」

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……嘘だ………真くんが…死んだ? すると、急激に目の前が真っ暗になり、そのまま意識を失った。 次に目を覚ました時、そこは病院だった。隣では母が眠っている。 そして起き上がろうとすると、医者が中に入ってきた。 私は、医者から説明を受けたのだが、真くんが死んでしまった事で頭が一杯で、それからの事はよく覚えていない。 私はフラフラとした足取りで、自分の家へと向かう。 その日の空は雲が多くて月の見えない夜だった。 それからの日々は、ただボーっと過ごしていた。すると、気づけば真くんのお葬式を迎えていた。 私は呆然としながら、真くんのご両親の元へと向かった。 するとやはり、2人は泣いていた。そんな2人に私は謝る。 「真くんのことは本当に申し訳ございませんでした」 すると、真くんのお母さんが、 「…いえ、陽香さんは悪くないわ。それにね、うちの息子は陽香さんを助けたくて、命を張ったの。今はまだ辛いと思うけれど、このお葬式が終わったら息子に囚われないでね」 ……分かっている、けど、、、、しばらくは無理そうだった。 すると、今度はお父さんが、 「陽香さん、これを…」 そう言って受け取ったものは、中に何かが入っている封筒だった。 「これは……?」 「生前、真が陽香さんに向けて書いていた手紙だ。…もし、自分に何かあったとき、陽香さんに渡してほしいと言っていた」
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