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「…ありがとうございます」
それから、お葬式が終わり、気付いたら家にいた。
隣では、母が心配そうに何かを話している。
私は、母に外に少し出てくると断って、外に出た。
行き先や目的なんて無い。ただひたすらにこのやりようの無い思いをどうにかする為に。
それからしばらく歩くと、雨が降ってきた。
だけど、私は気にせずにただひたすらに歩き続ける。すると、ここらではかなり大きい河川に辿り着いた。
川に近づき、私は呟く。
「……真くんのいない世界なんて、、、、、」
そう言って、私は身を投げようとする。けど、寸前で真くんのお母さんの声がフラッシュバックする。
『うちの息子は陽香さんを助けたくて、命を張ったの──── 』
そこで私は思い留まる。そうだ、真くんが命をかけて守ってくれたのに、こんな簡単にそれを捨てようとするのは、真くんに対しての侮辱では無いだろうか。
そして私はふと、真くんからの封筒のことを思い出した。それから急いでポケットを探し始める。
「確か今持ってたはず………あった!」
そして私は、その封筒を開ける。
すると、中には便箋と、普段真くんがつけている首飾りが入っていた。
「これ………」
私は、便箋を読んでみる。
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