空虚

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空虚

午前7時。明るい光が部屋を照らす。重い体を起こし目を擦る。固まった体を解し欠伸をする。立ち上がり朝の支度をするため洗面所へ向かう。冷たい水が眠気を消し去ってくれる。怠惰に過ごすことを許さない日常へ戻る。部屋に戻り、制服に腕を通す。少しだけ背筋が伸びる感覚がした。リュクサックを取り出し忘れ物がないか確認をしてから玄関へ向かう。横目で見たキッチンは綺麗なままだった。夏が残る暑さに柔らかな朝日が外を包み込んでいた。空いた胸に冷たい風が通り過ぎる。スカートがなびく。髪と共に青いリボンが揺れた。確かに変わらないものは君だけがいない世界で、日常は相も変わらず繰り返される。
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