0人が本棚に入れています
本棚に追加
その翌日。
「どうだった?電気ついてた」
「大丈夫です。20:00くらいにアパートに帰って来ましたから」
「じゃあ、会ったのね」
「いえ、顔は合わせていないです。けど、元気そうでしたよ」
「そうなの…」
彼は意外と頑固なので、オーナーの奥さんはそれ以上は踏み込まず見守ることにした。
そんな会話があってから、さらに二週間が経ち。夏休みも残り少なくなって来たある日。
「じゃ、すみません。来週から、一週間休ませてもらいます」
それは、彼が夏休み前から予定されていたこと行動であった。
「夏休みも、ほとんどバイトで終わっちゃったね。こちらは助かったけど」
「いえ、とんでもない。こちらこそ凄く助かってます。それに、バイトの休みの日には遊びにも行きましたから。夏休みもちゃんと楽しんでます」
「それならいいけど、来週は実家に帰るんだよね」
「そうする予定です」
オーナーと彼が、お店の中でそんな話をしていたその時、扉の開く音と同時にそのカウベルの音が彼の耳に届いた。
最初のコメントを投稿しよう!