(二)

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 ブロック塀と建物の間を進むと突き当たりまできた。右に曲がれる。ブロック塀と建物の間には板塀が設置されて侵入できないようになっており、向こう側が見えなかった。  そのとき別の方から「向こうにも回れ!」と声が聞こえて来た。  北郷はブロック塀によじ登った。高さは一八〇センチ近い北郷の身長よりも低かった。腕力で無理やり体を持ち上げブロック塀の一番上になんとか片足を乗せる。徐々に薄れつつあるものの痺れているのでうまく載せられなかったが、なんとか無理やり乗せ、ブロック塀の反対側に脚を落とした。 (続く)
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