わたしを食べないでください!!

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 細い何かが降りてくる。  あ、ごはんだ。おいしそう。パクッ。おいしー。  あ、あれ、ちょ、ちょっと待って!  わたし、引っ張られてる!?  わたしはくわえてる何かから離れようと思うけど、口に引っかかって離れない。  上を見ると、何だか大きなものが見える。  あれ、もしかして船ってやつでは!?  ま、まさか人間!?  た、助けて!!!  わたしは、必死に口に引っかかっているソレから離れようとした。  でも、離れることができない。  もうすぐ水面に着いちゃう。  やばいやばいやばい!!!  わたしは最後の力を振り絞った。  グイッ!  やった!  思い切り引っ張ったおかげで離れることができた。  でも、口がちょっと痛い。 「あーあ、また食べられないようにしなくちゃ……」  と、思ってたら。 「サ、サメだー!!!!」  どこかから声がする。  え、サメ?  後ろを振り向くと巨大なサメがこっちに突っ込んでくる。 「キャ、キャー!!!」  わたしは必死に逃げ惑う。  わたしの平穏は、いつ訪れるのだろうか……。 「何て考えてる場合じゃないよ! 助けてー!!!」  それから一日中必死に逃げて、ようやく眠りにつくことができたのでした。 「もう二度とあの細いものには近づかない!」
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