光の道

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 近づくにつれ、人影の姿がはっきりしてきた。  白いドレス姿の若い女性。長いブロンドの髪に、光を纏っているかのような白い肌。その姿は、天から遣わされた天使かと思うようなものだった。  彼女は私に気づくと、驚いた顔をして歩みを止めた。細い光の道には私と彼女の二人だけ。否応なしに向かい合う形となった。 「あなたは、何処からいらっしゃったのですか」  私はまず、最も気になっていた事を聞いた。 「現世から参りました」  透き通るような声で、彼女はそれに答えた。 「あなたも亡くなられたのでしょうか」 「いいえ、これから命を捧げるために冥界を目指しているのです」  彼女は優雅な微笑みを浮かべたままそう言った。 「わざわざ命を捨てられると? なぜです」 「必要なくなったからです」  命が不要だと断言するからには、余程辛い出来事があったのだろう。私にはそれ以上、尋ねる気にはなれなかった。
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