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「孝史、ひきこもりやめたの?」
食事の片づけを終わらせた母ちゃんが聞いてきた。
「いや、俺、このままでいいのかなって、急に気になっちゃって」
父ちゃんは、ほうっという顔をして、「だったら、学校行くのか?」と聞いてきた。
「俺、確か学校行ってたよな。何年生だっけ?」
母ちゃんは少し考えると、「高校行って半年で辞めたから、高一でやめたのよ、あんた」と答えた。
「高校生か、俺。また高校行くのも嫌だな」
「孝史ももう二十歳だから、今から高校行くのは大変だぞ。まあ、定時制なら、それくらいの歳のやつもいるかな」
「え、父ちゃん、俺もう二十歳なの?」
「おう、お前、ずっとだらだらしてたからな」
そう言うと、父ちゃんも母ちゃんも笑っていた。こいつら気楽でいいなと思いながら、これからどうしようか真剣に考えることにした。
気づいたら一ヶ月くらい経っていた。リビングに行くと、スーツを来た父ちゃんがパンと目玉焼きを食べていたから、今は朝なのだろう。
「父ちゃん、母ちゃん、言ってくれよ。まただらだらしちゃったよ」
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