そうだ、天国へ行こう

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 懐かしいような懐かしくないような中途半端に変わった街を歩いた。まだ、朝早かったから通勤、通学のサラリーマンや学生がたくさんいた。ぼんやり横目で見ながら、俺は、この人達とは違うレールに乗ってしまったんだと感じた。そもそも、俺の進んでいる道はどこにも向かってないから、レーンとも違うのだろう。そんなことを考えながら歩いていたけど、すぐに背中のあたりが痛くなってきた。確か中学校なんて歩いて二十分くらいで着いたはずなのに、まだ半分くらいしか進んでなかった。  身体は重いし、ぜぇぜぇと息は切れるしで、あまりにもしんどかったから、見かけたバス停のベンチに座りこんだ。しばらく休むと、もう歩く気力なんてなくなっていたから、家に帰ることにした。  家に帰ると、「もう帰ってきたの?」と、母ちゃんに呆れられた。そして、その日の晩ご飯で父ちゃんにそのことを報告され、また笑われた。だから、とりあえず、いいことするってことは置いておいて、体力をつけることにした。  それから朝と晩、毎日俺は外を歩くようになった。二週間もすると、少し歩くと重くなって悲鳴を上げていた手足も軽くなり一時間くらいなら歩き回れるようになった。それと、母ちゃんが俺が外出するようになったから、気を利かしてジーンズやシャツを何着か買ってきてくれた。デザインは、ひきこもっていた俺でもわかるくらいダサかったけど、文句は言わないことにした。
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