そうだ、天国へ行こう

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 それを横目でみながら、ベンチに座り、もし子供がジャングルジムから落ちそうになったら、俺が颯爽と現れ、落ちそうになった子供を抱きかかえるとか、子供が走って転んで泣き叫んでいたら、俺がすぐに子供を病院まで走って連れて行くとか、そんないいことをする妄想に耽りながら見ていると、いつの間にか二人の警官が俺の前に立っていた。 「不審者が公園にいるって通報があってね」  四、五十代の年配の警官が俺に言った。 「うーん、ずっと見てたけど、怪しい人はいなかったですけどね」  俺が答えると、若い20代らしき警官が怪しい者を見る眼差しで俺を見た。それで、不審者は、自分だったことに気づいた。 「君、何してるの?」  年配の警官が俺に問う。 「いや、いいことでも、しようと思って」  警官二人は顔を見渡し、真剣な眼差しになると、警戒しながら俺との距離を詰めた。 「いいことって? 何か子供にしようと思ってるの?」  年配の警官は警戒しながらも作ったような優しい笑顔で尋ねてくる。 「いや、何かしようっていうか、いいことですよ。人の役に立つって言うか?」
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