君はとくべつ

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「っ……」 身体が熱い。どうしようもなく熱が渦巻く身体に虹輝がもうこれ以上はだめだと慈雨の胸を押した時だった。 緊張した身体を解くように少しずつ少しずつ虹輝の身体に触れてきた慈雨の掌が下肢の中心に触れる。 「っ、慈雨」 驚いてびくりと腰を揺らした虹輝に慈雨は嬉しそうに小さく笑った。緩やかに勃ち上がったそこに気づかれ虹輝は赤くなった。 「勃ってる」 「っ……や、」 ゆるりと撫でられ、両手で抗うのに慈雨はそれをやんわりと払ってベルトを外した。 「何をっ……」 「虹輝、好きだよ」 耳元、息を吹き込むようにそう囁きながら慈雨は器用に虹輝の性器を取り出した。 「やめっ……ぅあ!」 上下に擦られ、緩く(きざ)していただけのそこがぐっと質量を増す。このままなし崩しにことに進むのはまずい。 「慈雨! おばあさんも中村さんもいるんだろ、こんなのっ……」 「うん、わかってる。最後まではしないから」 最後とは何だ、なにをする気だと混乱しながらも虹輝は慌てて暴れた。 「虹輝、おとなしくしてて、音とか声出したらバレるよ?」 「っ……」 慈雨の言葉にさあっと青ざめると自分の口を塞ぐ。くすりと笑って慈雨は虹輝の耳朶を甘噛みした。 「……ほんと、虹輝ってかわいい」 「かわ」 文句を言おうとした唇を塞がれる。いつの間にか寄りかかっていた背後のベッドの毛布が逃げようとした際にずれ落ち、そのまま虹輝の身体も床へと転がる。 「わっ……」 打ち付けそうになった後頭部を寸で慈雨の掌が支えた。 見上げれば慈雨が虹輝の両手首を捉えたまま見下ろしていた。 いつものように余裕そうな涼しげな笑みで虹輝を見つめるとまたかわいいと呟いて虹輝の唇を奪った。 シャツの下から少し冷たい指が腹を撫でびくりと震える。そろりと上がってきた指先が肌を露出するようにシャツとニットベストを押し上げ、それを辿るように臍から上へと慈雨の舌が舐める。 虹輝は半ばパニックで慈雨の肩口のシャツを掴んだ。 「……ぁ、んッ……」 張りつめた性器を慈雨の掌で擦られ、滲み出た先走りがくちゅくちゅといやらしい音を立てる。 「や、だ、やだ、慈雨っ……」 あまりにも恥ずかしすぎて虹輝は震える声を上げた。慈雨が途端に手を止める。 「虹輝……? ごめん、そんなに俺に触られるの嫌だった?」 「そ、んなんじゃなく、て」 不安そうな声の慈雨の顔が見られない。虹輝は赤くなった顔を隠すように手の甲を目元にあてる。きっと慈雨は悲しい顔をしている。それが想像できて慌てた。 「いや…じゃないんだ、だけどっ…俺ばっかりこんなの、」 いつの間にかシャツは胸元まで捲られ制服のズボンも下着も途中まで下ろされた状態になっていた。それなのに慈雨は変わらず着込んだままなのだ。
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