雨のち虹

君はとくべつ

「恥ずかしいんだよっ……俺ばっか、その、反応していやらしいみたいで」
「そんなこと……」

慈雨が笑った気がして虹輝はキッと睨み上げる。そうしてから慈雨の表情と太腿にあてられた硬いものに気づいた。

「え……？」

きっと虹輝をからかうように悪戯っ子のような顔をしているだろうと思ったのにその顔は困ったように赤く染まっている。そうして太腿に押し当てられたそれは虹輝と同じくすっかり硬くなった慈雨のものだった。
グッと分かりやすいように擦り付けられ赤くなる。

「わかった？　……興奮しないわけないだろ、虹輝が俺の手でこんなになってるんだよ？」

くちゅりと音がしてつるりとした先端を撫でられあえかな声を上げる。
慈雨はもう片方の手で自分のベルトを外した。

「ッ……」
取り出されたそれは天を向き虹輝と同じように、いや、虹輝以上に滾っている。

「虹輝が一人で恥ずかしいって言うなら虹輝も触ってくれる？」

そう言って虹輝の手を誘導した。触れたそれは熱く硬く張りつめている。自分のものよりもずっと大人びて大きいそれは虹輝に触れられるとぴくりと震えた。
初めて見た他人のこの状態に慄きながらも虹輝は慈雨と同じように掌に納める。

「……慈雨」
「うん、一緒にイこ？」
「う、ん」

触れるだけのキスをしながら慈雨の指が虹輝を追い詰める。それに意識を持っていかれそうになりながらも虹輝は必死で慈雨の性器を愛撫した。

「あ、っだ、めっ……」
「……ダメじゃないだろ？　虹輝、すごく気持ち良さそう」
「バカっ……ぅあ！？」

自分のものと思えない高い声が出て羞恥にグッと目を瞑る。耳元で慈雨が笑ってその熱い吐息が肌を擽った。触れる慈雨のすべてが熱い。
腹の奥から競り上がるような感覚に震える。

「や、ダメだ、慈雨っ……でるっ……」
「うんっ、……俺も、無理そう……虹輝っ……」

かぷりと耳朶に噛みつかれ虹輝は仰け反った。その晒け出した喉元をぬるりと慈雨の舌が這う。

「っあ……ぁあっ！」
虹輝はぶるりと震えて慈雨の掌に白濁を吐き出した。

「ッ……虹輝、ごめん」
「あ！」

慈雨が虹輝の手の上から手を重ね自分の性器をしごく。いやらしい音が響き、掌が熱くて眩暈がしそうだ。

「ん……く、」

慈雨のそこがグッと震え、剥き出しの虹輝の腹へ熱い飛沫を吐き出した。ぱたぱたと出されたそれが整わない呼吸とともに上下する腹の上を伝って落ちていく。
虹輝はその生々しい感触に荒い息を吐きながらも、甘い余韻に浸るように目を閉じた。