散歩という名のファンタジー

5/5
前へ
/6ページ
次へ
 ああ、良い天気だ。  「散歩日和だー!」  「そうだな」  気分転換がしたい時、単純に友人と遊びたい時、彬の思考回路はすぐに叫ぶ。  「そうだ散歩に行こう!」  毎回突撃してくる彬に司朗は少し面倒くさそうな顔で応じる。心の中で散歩と書いて冒険という読み仮名を振って。そうだ、友人と一緒なら冒険も悪くない。ワクワクする気持ちを隠してクールに司朗は首を傾げた。  「行くか?」  返事は当然、満面の笑顔の肯定(こうてい)。ファンタジーな冒険はいつもすぐ隣にあるのだ。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加