困難な道を選んで行きます

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 中学校には通えなかったけれど、大手の個別指導塾には通っていた。 そこの室長はとても話しやすい人で「学校に行けないなら2時から来ていいよ。ここを洋平くんの学校にすれば良いんだよ」と言ってくれて僕は自転車で2時に駅前のビルの7階にある塾へ毎日通った。 夜までそこで勉強していた。 勉強を見てくれていた先生は、東大出の背の高いスキンヘッドのキン肉マンで、何だか面白い人だったから、楽しみだった。 僕は学校に行けない人が多く在籍している単位制の高校に行って大学を目指そうと思っていた。 でも室長が8月の半ばになって「受験してみない?」なんてびっくりするようなことを言って来たんだ。 でも僕は学校のテストを受けていないから、成績がついていなかった。 すると室長が「オープン入試って言うのがあって試験当日のテストの成績一発勝負って言うのがある。あとは面接ね。内申書は審査なしだから」 別に単位制でも良いけど、受験勉強を体験してみたいと思った。 両親も賛成してくれてその日からスキンヘッドのキン肉マン先生と必死の受験勉強が始まった。
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