光 彩

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地元で飲んだ時に今度は海に行こうという話しになって、いつものようにBBQも計画。 爽はその日、海に入れなかったけどそのおかげでトモと仲良くなっていた。 爽が牡蠣を好きだと教えたらトモが大量の牡蠣を持ってきたからで、爽は家族のことも少し話したらしい。 それからも爽とは順調に付き合いが進みたまに俺の部屋にも泊まることも。 そしてもう直ぐ一年という頃、爽が家族に話したいと言った。 水野のとこに泊まると嘘を口にすることは爽にとってはすごく心苦しいことなんだろう。 今まで俺が付き合ってきた女は家族にも簡単に嘘もつくし、俺だって彼女の家族や予定なんて気にしたことはなくて⋯ 改めて最低だなって思う。 俺と付き合ってることを両親と祖父母に話そうと思う、と言ってくれた時すごく嬉しかった。 爽はきっとそういうことを自分から家族には話さないんじゃないかと思っていたから。 少し不安そうに話す爽に 「もしお父さんがどんな奴か会わせろって言ったら俺は喜んで会うよ。」 と言ったら 「柊也⋯ ありがとう。」と笑った。 そう言ったものの多分会うことは無いだろうと考えていたら 「柊也、ごめんね?なんか紹介するって話になっちゃって⋯ 」 「ん?そうなの?全然、大丈夫だよ。」 驚いたけど爽の話を聞いたらお母さんとの噛み合わない会話が可笑しくて、その時のあたふたする爽を想像して頬が緩んだ。 そして、爽のでっかい家に挨拶に行くと何故かわからないけど最後は大人数での宴会になり⋯ その後も爽のお父さんは息子が欲しかったと言い、やっと4対1から4対2になったと喜んで、デートの帰りに爽を送りがてら一緒にご飯を食べたり酒を飲んだりするようになる。 お互いの家族公認の付き合いとなった俺たちは本当に幸せな毎日を送っていた。 全てが順調で会社のイベントにも積極的に参加をしていて、年が明けて2月に入る頃⋯ 〝◯◯リゾートへ1泊2日でスキーとスノーボードをやりに行こう!〟という 会社の冬のイベント開催が決まったーー。
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