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〝一人レベルが違うな。
会社でのスーツ姿とのギャップがやべぇ。〟
ギャップか⋯
確かに会社でのバリキャリの美波さんと、風呂上がりでなんだか柔らかそうな爽が俺の部屋で着ているようなワンピースを着ている美波さんのギャップは凄い。
なんだか目が離せないというか、自然と少しでも視界に入ってくるとパッと見てしまう。
まさに彼女の身体から光彩が放たれている。
そんな状態で恐らくここにいる男は皆んな大なり小なり感じているだろう。
「はぁ~、美波さん⋯ 綺麗過ぎるわ。あんなスッピンぽいのに美しく輝いてるのは何故?」
あ、男だけじゃなかった。
水野が俺たちのとこに来てため息と共に呟いた。
「まっ、俺たちには雲の上の女性だよな。同じ営業部でも1課と3課じゃ関わることもないし。」
青山の言葉に
「浩介が3課で良かった!1課で美波さんと仕事してる人の彼女は気が気じゃないよね。」
「え?なんで?」
「浩介は呑気だね。自分の恋人があんな綺麗な人と仕事で関わりがあったら好きになっちゃうかもって思うじゃん。」
「あ~、確かに⋯ 」
〝バシッ〟〝痛っ〟と聞こえたと思ったら
「そこは否定するとこでしょ!何、納得してんのよっ。」
「いやいや、冗談だって。高嶺の花過ぎて無理だろ?」
「あぁん!?あぁっ、そ。そりゃあ、美波さんに比べたら私は雑草みたいなもんでしょうよ。」
「いやいや、月ちゃん?何言ってんのかな?」
バカだな、青山は。
「浩介だって美波さんにしてみたら、そこら辺に転がってる石ころみたいなもんだからねっ。」
〝ブファッ〟とビールを吹きそうになる。
「うんうん、そうだね。俺は石ころだからさ、だから俺たちは仲良く付き合えるんだよな?」
え⋯ それは⋯ どういう?
水野は首を傾げてギロッと青山を睨み
「雑草の私には石ころがお似合いってことね?」
「いやっ、違うって~!黒木、助けてくれ。」
「お前はバカか。考えた方がいいんじゃね?水野。」
「そうだね、私も石ころはちょっと嫌だわ。」
「おいっ、黒木!月、ごめんて。帰ったらあそこ行こ?行きたいって言ってた高級焼肉店!」
青山が酒を取りに行くと
「チョロいな。」と水野と二人で笑った。
「まぁ、美波さんは結城さん狙いだからねぇ。」
ん?
「結構な噂だよ?」
「へぇ、そうなんだ。でも結城さんには恋人いるんじゃなかったっけ?」
「そんなの、美波さんなら略奪できるっしょ。」
「怖ぇ~な。」
「浩介みたいなバカな男ならコロッといっちゃうでしょ?」
もし二人が付き合ったら⋯
結城さんもバカな男になるのかーー??
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