プロローグ

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プロローグ

「Trick or Treat〜!」 ふふっ。ふふふっ、可愛い。 「Trick or Treat!」 「Trick or Treat〜、ねぇねぇ!」 魔女やお化けに扮してきゃっきゃっと笑っては、お菓子をちょうだいと小さな手を差し出して笑う子供達。 可愛いな⋯ にこにこと私の足にまとわりついたり、手を繋いで私を取り合う子供達がホントに可愛い。 無邪気で純真無垢なキレイな瞳。 ⋯⋯⋯⋯。 あぁ⋯ 懐かしい。 あれはいつのハロウィンパーティーだろうか。 また十代の頃だ。 あの頃の私は夢と希望に満ち溢れていて⋯ キラキラと輝く未来があると想像してはワクワクが止まらなかったっけ。 ホテルに来るまでの街の装飾がハロウィン一色になっていたから思い出してしまったのかな。 あれから⋯ 十数年。 閉じていた目をそっと開けると 大きな鏡に写るウェディングドレス姿の私。 純白のドレスが⋯ 何度瞬きしても私には純白に見えない。 目の錯覚? 私の心にある微かな黒い気持ちがそうさせているのかな⋯ 小さな迷いと不安が。 一週間後⋯ 私は愛する人と結婚をする。 彼は、本当に私と結婚したいのだろうかーー。
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