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♯1
高校に入学して、1ヶ月が過ぎた。
「あー、痛っ」
昼休み。私、平沢 咲奈は今、保健室へと向かって廊下を歩いている。
ここ数日、夜更かしして睡眠時間が3時間っていう日が続いていたからかな?
身体がフラフラする。頭痛薬もさっき飲んだけど、痛みが和らぐ気配は一向になく。
お昼休みの残り30分は、保健室で休ませてもらおうと思ったのだ。
──ガラガラ。
ドアを開け保健室に入ると、ツンとした薬品の匂いが鼻を掠める。
あれ? 保健室の先生いない。
保健室は誰もいないのか、シーンと静まり返っている。
勝手にそこのベッドに寝させてもらっても良いかな?
そう思い、窓際のベッドのカーテンを開くと。
……え。
そこには、2年の男の先輩が眠っていた。
う、うそ!?
あまりにも静かだから、てっきり誰もいないのかと思っていたら……人、いたんだ。
しかもこの人……。
学校一のイケメンで有名な、須藤 海里先輩だ。
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