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高校に入学して、1ヶ月が過ぎた。 「あー、痛っ」 昼休み。私、平沢(ひらさわ) 咲奈(さな)は今、保健室へと向かって廊下を歩いている。 ここ数日、夜更かしして睡眠時間が3時間っていう日が続いていたからかな? 身体がフラフラする。頭痛薬もさっき飲んだけど、痛みが和らぐ気配は一向になく。 お昼休みの残り30分は、保健室で休ませてもらおうと思ったのだ。 ──ガラガラ。 ドアを開け保健室に入ると、ツンとした薬品の匂いが鼻を掠める。 あれ? 保健室の先生いない。 保健室は誰もいないのか、シーンと静まり返っている。 勝手にそこのベッドに寝させてもらっても良いかな? そう思い、窓際のベッドのカーテンを開くと。 ……え。 そこには、2年の男の先輩が眠っていた。 う、うそ!? あまりにも静かだから、てっきり誰もいないのかと思っていたら……人、いたんだ。 しかもこの人……。 学校一のイケメンで有名な、須藤(すどう) 海里(かいり)先輩だ。
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