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(いっちゃんから連絡が──!?)
あまりにも驚き過ぎて私はその場で立ち尽くしてしまった。
5年前、芸能人になるといって町を出て行ったいっちゃんとはその後音信不通になってしまっていた。
いっちゃんの家には一度だけ連絡があって、映画のオーデションには落ちたけれどとある芸能事務所の人からスカウトされて其処にお世話になることにしたから心配しないでという内容だった。
それ以来何処でどうしているのか全く分からなくなってしまっていた。
おじさんもおばさんも便りがないのは元気な証拠よろしく、いっちゃんの事に関してはさほど気に留めていない様子だった。
だけど私はいっちゃんがどうしているのか心配だった。芸能関係のニュースは見れる範囲で気にしているけれど、いっちゃんらしい芸能人は未だにデビューしていない状況。
だから余計に芸能人になるのって大変なんだと思いながらいっちゃんの邪魔になりたくなくて何処かの空の下で頑張っているいっちゃんを陰ながら応援することで心に留めていたのだった。
(そんないっちゃんからの連絡が来た?!)
「ねぇ、るいちゃん、訊いてる?」
「! あ、う、うん」
「でね、お母ちゃんがるいちゃんに家に来て欲しいっていってるんだけど」
「おばさんが?」
町内中が顔見知りで仲がいいという環境だから当然いっちゃんのお母さんとも顔見知りで仲がいい。
「だから早く行こうよ」
「うん!」
私は幹くんと連れ立っていっちゃんの家へと急いだ。
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